惑わしの5days
そう言ってニッコリと微笑む光は、「じゃあね」と言って自分の中学校に向かって走って行った。


遠くてよく見えないけど、何人か光と同じ制服を着た女子生徒が同じ方向に歩いている。


左右に揺れる長い黒髪を目で追いながら、私は深いため息を零した。


「本当に大丈夫なのかしら……」


まぁ……本当に分からなかったら、私に聞いてくるだろうし………あまり気にかけ過ぎると、シスコンってお母さんに言われちゃいそうだし……


私だって中間テスト近いんだし、私は私の勉強しとくか。


「栞ーー!おはよう!」


「おはよう!!」
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