惑わしの5days
余計なもの等一切映っていない瞳で射抜かれて、一瞬呼吸が止まった。


岩本君は、冴城君よりもずっとずっと強い疑問を私に対して持っている。


「睦杜に聞いても“気のせいじゃない?”とか言われ続けてさ……もしお前が」


岩本君がそこまで言った時――――…音楽室内に、キーンコーン…と予鈴が鳴り響く。


それと時同じく、フリーズ状態だった私の脳内に、ほんの僅かな余裕が出来た。


このままだったら昨日の冴城君とは違って、誤魔化し切れないで岩本君に入れ替わりがバレてしまう。


もしかしたら彼なら周りには黙っててくれるかもしれない。
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