惑わしの5days
岩本君が引き止めるのも無視して、私は音楽室を飛び出す。


廊下を走るのには抵抗があったけど、そのまま3年A組まで走り通した。


「あっ、光お帰り……って……どしたのアンタ、そんなに息切らして」


教室に着くと、ゼーゼー息切れし、汗だくの私を見て睦杜ちゃんが目を丸くした。


冴城君は自分の机に突っ伏して、スヤスヤお昼寝中。


「牛丼………汁だく……」


お弁当を食べたばっかりなのに、こんな寝言を言っていた。


つーか寝顔カワイイな、コノヤロー!!


「睦、睦杜ちゃぁ~~~ん!アナタの彼氏怖過ぎぃ~~~!」
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