惑わしの5days
慌てて私は、バサバサとカバンに教科書や筆記用具を詰め込んでいる冴城君に伝えた。


しかし冴城君は荷物を片付け終えると、机を迂回して私のすぐ横へ。


「いいから。早くしまえよ」


んっ、と私のカバンをこちらに差し出す冴城君からは、いつもの陽気さが感じられない。


「ハ、ハイ……」


私は仕方なく、同じように勉強道具をカバンに入れ始めた。


どうしよう…冴城君、怒らせちゃった……


幾ら明るくて悩みが無さそうな冴城君でも、自分が勉強見てあげてるのにボーーッとされちゃあ……堪んないよね。


なのに私ったら………
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