惑わしの5days
何だか今の今まで肩に重くのし掛かっていたものが、まるで氷みたいにスーーーッと溶けてゆくみたい……


フワッと頬を緩ませ、誠心誠意お礼を伝えた。


「っ……田、田薮、オレちょっとトイレ行ってくるわ」


「うん分かった。私ケーキ食べながら数学勉強してるね」


「おお。ケーキまだあるからな、いっぱい食え」


冴城君がトイレに立ち、また私1人になる冴城君の部屋。


「フゥ……」


ふと窓を見ると、両頬が赤く染まった自分がハッキリと映っていた。


トクトクと、微かに騒がしい心臓に両手を当てる。


「好き…です………」
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