惑わしの5days
ジッと見つめると、更に茹でダコの様に真っ赤っ赤になっていく茶髪男子。


「あ、あの……ボク3年C組の萱嶋《かやしま》って言います………知ってますか?ボクの事」


ようやく喋ったと思いきや、自己紹介されました。


今時珍しいな、一人称が“ボク”の男子中学生って。


冴城君も岩本君も私の本来のクラスメイトも、殆ど“オレ”なのに。


ととと!今はそんな事考えてる場合じゃなかった!


「え、あ、ごめん…知らないや」


萱嶋君は同い年みたいなので、敬語を取って返した。


本物の光が萱嶋君を知ってるのかは、私には分からない。
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