惑わしの5days
「栞ちゃん、放課後大丈夫?勉強会の時まで冴城君あんな風だったら、気マズイんじゃない?」


先生に注意されない様に、限り無く声を落として私に言う睦杜ちゃん。


その間に冴城君をチラッと見てみると、欠伸を片手で隠して眠たそうだった。


「大丈夫だよ。平気平気」


もしかしたら放課後までには機嫌直ってるかもしれないし、そうじゃなかったとしても、これ以上睦杜ちゃんに迷惑はかけられない。


そう考えた私は、不安そうな睦杜ちゃんを安心させる為にニコリと笑いながら返した。


「でも……」


「いいから!ホラ睦杜ちゃん、前向いて!」
< 227 / 323 >

この作品をシェア

pagetop