惑わしの5days
私の小さな呟きが、光にも睦杜ちゃんにも聞こえぬまま、空中に吸い込まれていった。


今日で私が田薮 光としてあの中学校に行く事は無くなる。


田薮 栞として、また普通に生きてゆくんだ。


入れ替わりが終わった後どうするかは、実を言うと全く考えていない。


私が冴城君を好きになっていなかったら『ハイ、終~了~~』で終わったんだろうけど、私は冴城君との繋がりが切れるのは嫌だ。


冴城君騙してる上に、こんな事望むなんて……私ってかなり身勝手な人間だったんだな。


「光の事、言えないじゃない…」


「えっ?呼んだ?栞」
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