惑わしの5days
全身を震わせ、頭を下げ続けていると、冴城君のキョトンとした声が耳に届いた。


恐る恐る頭を上げると、困惑し切った表情の冴城君と目が合う。


「睦杜ちゃんには私のフォローと光の数学教授頼んで、岩本君には人疑わせて、何よりもアナタの厚意を無下にして、それにその……金曜日の………」


私達がどれだけヒドイ事をしたのか説明していく内に、段々と声が小さくなっていってしまった。


同時に金曜日の事を思い出して、胸がはち切れそうになる。


「ああ…あの事ですか……」


冴城君も3日前の事を思い出したのか、気マズそうに目を泳がせていた。
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