惑わしの5days
「さ、冴城君、光の事好きだったんだね……私全然気づかなかった……」


もっと早く気づいていたら、好きにならなかったかもしれない…ううん。


私きっと、初日の放課後の時点で半分心持ってかれちゃってたもん。


だからもっと早く…なんて、ムリな事だったんだ。


私は多分……冴城君が光を好きだと気づいていても、冴城君を好きになっていたと思う。


「――気づかなくって当たり前ですよ。だってオレ、妹さんの事好きじゃないですもん」


「………へっ?」


泣きそうになるのを必死に堪えていると、冴城君がポンッと言い放った。
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