惑わしの5days
そう言った後、ソッと私の両手を自身の両手で包み込む冴城君。


「ヒャッ……//////」


両手から冴城君のしっかりした体温が伝わって来て、ピクッと肩が上がった。


冴城君は顔を真っ赤にして狼狽える私を、優しい目をして見つめる。


「あ、あの冴城君………」


ドキドキと脈打つ鼓動に抑え込まれない様に口を開くと、私の両手を握る力が微かに強まった気がした。





「あの5日間の田薮は、光じゃなくて君だった。つまりオレが好きになったのは、君なんだよ………栞」


「――――えっ……」


「オレは“栞”が好きだ」
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