惑わしの5days
外に出ると、秋の風が私のカツラの長い髪をフワリと巻き上げる。


「おお……ロングだった小学校5年生以来の靡きだわ。懐かしい………」


ポツリと呟きながら歩く私の隣で、光はソワソワと落ち着かない様子でうなじら辺を触りまくっていた。


「私は首元がスースーするよ…ちょっと寒い」


「我慢しなさい。“入れ替わって”って言ったのはアンタなんだから」


ピシャリと言いつけると、「ハ~~イ…」とイジける光。


普段の自分と全く同じ人がスネているのを間近で見るのは、本当に不思議な気分だった。


まるでドッペルゲンガーに会ったみたい…
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