惑わしの5days
誰も知ってる人がいなかったらかなり不安だったけど、睦杜ちゃんがいるなら大丈夫みたい。


「ハイ、ここが3-Aね!」


先に立ち止まった睦杜ちゃんの目線につられて上を見上げると、確かに『3年A組』のプレートが。


「……でさ……」


「そんでね………」


扉の向こうからは、賑やかな声が途切れ途切れに聞こえてきた。


「う…緊張する……バレないよね?睦杜ちゃん」


初日からバレたりしたら、もうやってけない!


ギュッとスカートを握りしめていると、フワッと頭を撫でられた。


「バレないって!行こう栞ちゃん!」
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