惑わしの5days
そう言って、ガラッと扉を開ける睦杜ちゃん。


「ち、ちょっと待って睦杜ちゃん!!私まだ心の準備が……」


慌てて引き止めようとしたけれど、もう手遅れだった。


「皆おはようーー」


「おーーおはよう小早川」


「おはよう睦杜」


ヒィィィィッ!!3年A組の皆がこちらを向いてらっしゃるーーーっ!!


「ホラ栞ちゃん、中入って!」


扉の真ん前でカチコチに固まっていると、睦杜ちゃんに右手を引かれる。


私はロボット並のかなりぎこちない動きで教室に足を踏み入れた。


「光おはよう!」


「よっ、田薮」


!?
< 52 / 323 >

この作品をシェア

pagetop