惑わしの5days
このクラスに“想兵”という名前の人は、冴城君しかいない。


パッと冴城君の方を見てみると、グッと親指を立ててウインクしていた。


「えっ、あ、あっと……我々はどうしてこうも上手く立ち回れないのだろう………」


急いで紙に書いてある通り132ページの5行目から読み始めると、どうやら合っていた様子。


「よしいいぞ。じゃあ次は小早川!」


「ハイ」


どうにかやり過ごす事が出来て、無事に授業は終わったのだった。


チャイムが鳴り、先生がいなくなると、私は素早く冴城君の所へ。


「あ、あの冴城君!ありがとう!!」
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