死神のレシピ
“二ャーゴ”



一匹の黒猫が鳴き声を上げた



その黒猫は足元までやって来ると私の足に擦り寄ってきた



私はしゃがんで大鎌を横に置くと、黒猫の頭を撫でる



黒猫は嬉しそうに“ミャー”と鳴いた



ひとしきり黒猫と戯れた私は、立ち上がって再び歩き出す



“早く死者の魂を探さなくては”



数歩行った私は大鎌を取り忘れている事を思い出した



振り向くと黒猫がさっき私の足に擦り寄ったように



大鎌の鋭く尖った刃先に擦り寄るのが目に入った


< 2 / 125 >

この作品をシェア

pagetop