死神のレシピ
アントニーは笑顔で



「かしこまりました。」



そう言って厨房に向かった



小さな男の子は椅子に座って、つまらなそうに足をブラブラさせていた



「ねえパパ
今日は何処にお泊りするの?
僕眠くなってきたよ。」



「ああ大丈夫だ
今日泊まる所は決めてある
食べ終わったらそこに行こう。」



父親はそれだけ言うと、ずっと窓の外を見つめていた



「おまたせしました。」



アントニーが料理を持ってきて、テーブルの上に置いた



「ちょ、ちょっと待ってくれ
こんなに頼んでない…。」



テーブルの上には豪華な料理が並んでいた



「大量に食材が余ってしまいまして
食べていただけたら助かります。
もちろんサービスです。
残されても結構ですので
ごゆっくりお召し上がり下さい。」



アントニーはそう言い残して厨房に入っていった


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