死神のレシピ
「それと。」



アントニーはもう一つ、封筒を差し出した



「お子さんへの
プレゼントです。」



「息子にですか?」



封筒の中身はお金だった



「どうして見ず知らずの
私達にここまで…。」



「僕のお店に
来店していただいた縁です。
縁は大切にするべきでしょ?」



「仕事の話は有り難く
受けさせてはいただきます。
しかし、これは頂けません。」



「じゃあ、こうしましょう
あなたが自分で働いて
給料をもらったら
お子さんを連れて、もう一度
ここに食べに来て下さい。
それでチャラです。」



無言で立ち尽くす父親に、アントニーは更に言葉を続けた


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