死神のレシピ
テーブルの向こう側で



頬杖をついて私を見つめるアントニー



気が付けば一日中アントニーの事ばっかり考えてしまう



会っちゃいけないって思っていても



足が勝手にアントニーの元へと向かってしまう



「ん?
俺の顔に
何かついてる?」



そう言われてはじめて、ずっとアントニーを見つめていた事に気が付いた



「べ、別に
なんでもない!」



水を飲むふりをしてドキドキした気持ちを誤魔化した



「でも、どうして
私に親切にしてくれるの?」



前々から疑問に思っていたんだ



死神の私なんかにどうして親切にしてくれるのかって



< 38 / 125 >

この作品をシェア

pagetop