死神のレシピ
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「はぁ~…。」



大きな溜息



私は一人で川の流れを眺めていた



近くにある石を拾い上げて、流れの中に投げ入れる



チャポン



それを見て、もう一度溜息



こんなんじゃ駄目だよね、私



アントニーの事を考えないようにしようって思えば思うほど



アントニーで頭の中が、いっぱいになってしまう



死神の仕事だって、まだ一人も天上界に送れてないし



昔からこうだったよな



恋しちゃうと何も手につかない



地上界の住人だった頃から全然進歩してない



空を見上げると、そこにはオレンジの空



辺りは随分と日が落ちかけている



私は街灯りに向かって歩きだした


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