死神のレシピ
角を曲がって大病院の前まで来た私は唖然とした



そこには黒装束に大鎌を持った死神達が、長蛇の列を作って自分の順番を待っていた



みんな考える事は一緒だった



この地域の死神達がみんな来ているようだ



私は仕方なく最後尾に並んだ



前の人を見ると青白い顔をした、いかにも“死神”といった風体の男の人だった



死神の大ベテランといった感じだ



私は恐る恐るその男の人に話しかけた



「すいません…
いつから並ばれてるんですか?」



その男の人は険しい顔をして振り向いた



「ここに並んで3日目だ
最近はなかなか人が死なないからな。」



その男の人は弱弱しい声でそう言うと列の前の方を見て



「俺の順番が回ってくる前に
俺の方が先に飢え死にするかもな…。」



と言って、頭を横に振った


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