死神のレシピ
医師達が蘇生措置を続ける中



その男の子の体から霊体が離脱した



男の子の霊体は浮遊して



人々の頭上から、その状況を眺めていた



自分に何が起こったのか理解出来ていないようだ



「ママ!僕はここだよ!
ねえママ!ママ!」



頭上から必死に母親に向かって叫んでいた



そのうち医師達は蘇生措置を止めて、母親にその子の死を告げた



母親は「ダレル!ダレル!」と言って魂の抜けた体にすがりついた



「ママ!僕はここだよ!
ねえ、こっちを見て!
ねえママ!」



私は混乱するその子、ダレルの肩を優しく叩いた



ダレルは驚いて私の方を振り向いた



「お姉ちゃんは誰?」



「私は死神よ
あなたを天国に案内する為にきたの。」


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