死神のレシピ
猫ちゃんは、すぐさま干し魚をムシャムシャ食べ始めた



「私の死神としての
最初のお給料で買ったのよ。」



猫ちゃんは“ミャーゴ”とお礼を言って食べ続けた



私はしばらく干し魚を嬉しそうに食べる猫ちゃんを眺めていた



あ、そうだ、こんな事してる場合じゃなかった



「じゃあね猫ちゃん。」



猫ちゃんにサヨナラを言って再び歩き始める



どうして、そんなに急いでるかというと



今までアントニーにご馳走になった料理の代金を払いに行くんだ



もちろんアントニーから料理の代金を請求された事なんか無い



でも死神として人に借りを作ったままじゃいけないと思うんだ



お給料も貰ったんだし死神として当然の事だ



べ、別にアントニー会いたい訳じゃないからね



アントニーなんか、ちっとも会いたいと思わないんだから…


< 90 / 125 >

この作品をシェア

pagetop