死神のレシピ
“アントニーのお店”と掲げられた看板は傾き



お店の前にはゴミが散乱して



窓ガラスには所々にヒビが入っていた



一目見て営業してない事が分かった



私は無言で立ち尽くしていた



いったい何が起こったの?



アントニーは何処?



ドアノブに手を掛けた



あ、鍵が掛かってない



ドアを開けて店内に足を踏み入れた



店内には灯りは無く、物が散乱していた



私は用心しながら、一歩一歩進んでいった



店の奥の厨房まで来ると誰かが地面に座っているのが分かった



店内に灯りが無いから確認できない



「アントニー?」



私は、その影に声をかけた



「だれ?」



この声はアントニーだ



私はアントニーに駆け寄った



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