死神のレシピ
「でもね…その日から
料理を作る事が
楽しくなくなったんだ

あんなに楽しいと思えた事が
今では苦痛に感じるんだ

それでも毎日料理を作り続けたよ

でも不思議なんだ

昔みたいに皆を笑顔にする
料理を作る事が出来なく
なってしまったんだ

もうミーシャが美味しいって
言ってくれたあの味を
作る事が出来なく
なってしまったんだ…。」



アントニーは私の大鎌を見た



「みんなを笑顔する料理を
作る事も出来ない俺なんか
生きていてもしょうがないんだ…
俺の魂をあげるから…
その鎌で俺を…。」



私はアントニーを抱きしめていた



悲しくて涙をでてきた



「駄目!絶対駄目!
私はあなたの優しさに
救われたの!
だから、そういう事言わないで。」


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