心の扉
2週間が経つ頃、担当者と私との 面談が行われた。

「あなたは自宅へ帰ると 通院だけでは済まなくなる状態になるでしょう。 だから… 児童養護施設へ行こうね…」 反論出来なかった。

それは 事実だから。私は父に犯され 精神科へ通院することになってしまった。
自分のためを思えば 自分から離れて生活した方が 自分のためだと思った。

児童養護施設のパンフレットを渡された 「自分で決めてね」 担当者は言う。

行ったこともない所へ ひとりで行くことに 不安を隠せなかった。

でも 決めなければ行けない…。

パンフレットを見ていると 「天心寮」に 目を惹かれた。

「天に心が届くようにって意味かなぁ?」 私は呟いた。

私の行く場所が 決まった。
私が選んだ「天心寮」

私には 決意が必要だった。
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