心の扉
出発
私の迷いも不安も 全部乗せた電車は 「ガタンガタン」と揺れながら 私を連れて行く。

今まで見ることがなかった光景が 私を驚かせた。

大きなビルやホテル、駅、片側3車線の道路、見るもの全てが 私の実家近くにはなかったので 私は驚きを隠せなかった。

担当者が私に寄り添い 駅に着くと 施設の事務をする方が 迎えに来てくれていた。

大通りから30分ほど車を走らせて 田舎のような風景が見えてきた。

山の麓に 天心寮は現れた。

穏やかな風邪が 山の木を揺らして 静かな音を立てる。 ここなら 落ち着けるとそう思っていた。

施設に着くと 寮長室へ案内された。
話が終わって 寮内を案内させてもらった。

洗濯曹に、食堂、女子寮。 時間は午後3時過ぎだったので 寮生は まだ帰ってはきてなかった。

「明後日ねぇ、寮のお別れ旅行があるのよ。それでお菓子を詰める作業をしてるんだけど 手伝ってもらえないかな?」

私は快く頷いて お菓子を詰める作業をした。テスト期間で 帰ってきていた 高校生の先輩方と お菓子を詰める作業をした。

そこで出会った先輩が 私に優しくしてくれたのを 今でも覚えている。

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