雨の日は、先生と

会いたい

次の日から、私は毎日決まった行動を取るようになった。

いつもより早く登校して、職員用玄関の靴箱を探す。

「ここだ。」

そこには、『天野』と書かれた靴箱があった。

そこに小さな封筒を押し込む。
先生は、当然まだ来ていないようだった。



その小さな手紙には、クラスも名前も書いていない。


書いてあるのはただ一言、「助けて」と。


その一言のみ。



でもそれから、しばらくの間天野先生に会うことはなかった。
毎日図書館にいても、またあの場所で本を読んでいても。

もうすぐ冬になろうと言うのに、図書館の中まで日差しが届く。
温かい日差しが、太陽が、恨めしかった。

あのどしゃ降りの日、先生は現れたから。



てるてる坊主を作って、図書館の窓に逆さまに吊るす。
誰も願わない雨の日を、私はひたすらに願う。

もう一度、あの人に会いたい。

先生の緩やかなテンポに巻き込まれるみたいに、すべてを忘れていたい。



好き、というのとは少し違う。

私は、あの人に縋りたいのかもしれない。



もしくは、あの日失くした父に、その人は似ているのかもしれなくて――
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