雨の日は、先生と
願っても叶うわけはなくて、私はしばらく前と同じように図書館の片隅にいた。

天野先生が何の教科の先生なのか、とか。
学年はどこなのかとか。

知りたいことはたくさんあったけれど。


私は気持ちを押し殺すようにして、毎日本を読んでいた。
でも、前のように集中できなくて、一冊の本が読み切れない。


苦しかった。
苦しみなんて、誰よりも知っているつもりでいたのに。


押し殺すことのできない苦しみを、あの人は連れてきてしまった。


どうしてこんな気持ちになるんだろう。

どうして。




そして私は、ある決心をしたんだ。

諦めることを知ってしまった私が、初めて。

初めて、運命に逆らおうと思った。






その日から、私は教室に戻った―――
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