雨の日は、先生と

悪夢

だけど、現実はそんなに甘くなかった。

次の日、学校に行くと、悪夢が待ち受けていたのだ。



「あっ!!!」



上履きをはくと、右足に鋭い痛みが走った。

脱いでみると、中に画鋲が入っていたらしく、靴下に血が滲んでいる。



「どうして、」



上履きに入っているのは、それだけではなかった。



“死ね”



そう殴り書きされた、ノートの切れ端。



いじめ?



脳裏に浮かんだその文字を打ち消そうとして、向かいの廊下に貼ってある紙を見付けた。
私は唖然として、その張り紙を見つめる。



“3年3組の笹森唯は、数学教師、天野陽と付き合っています”



いつ撮ったのか、私と先生の2ショットの写真まで貼られている。



“陽は私のもの。奥さんなんていても関係ない!”



そんな言葉が、吹き出しで書かれていて。




「ばかじゃないの。」



そうつぶやいて張り紙をはがす。

だけど、次の廊下にも、また同じようなものが貼ってある。

一体、何枚貼られていると言うのだろう。


だけど、負けたくなくて。

もう逃げるのは嫌だから。

私は、教室へと向かったんだ―――
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