雨の日は、先生と
次の日も、また次の日も。
新野君は根気よく私に向き合って。
私も大分、彼とは打ち解けてきた気がする。
卒業を目前にして、こんなふうに友達ができるなんて思わなかった。
それも、異性の。
「なあ、唯!俺、来週が入試だから、今日で最後なんだ。自由登校来るの。」
「え!そうなの?こうちゃん、もう来ないの?」
「うん。……だからさ!食い修めしようぜ!」
「へっ?食い修め?」
新野君は、ニコニコと笑う。
「だからさ、ほら、この学校の学食でごはん食べること、もうないだろ?だから。」
「あ、そっか。そういえば、私行ったことないや、学食。」
「えー!お前それ、絶対損してるって!な、行こう!付き合ってよ、食い修めの儀式!」
その言い方が面白くて、思わず笑ってしまう。
ひとしきり笑っていたら、新野君は見たこともないほど嬉しそうな顔をして、私を眺めていた。
「唯が笑ったとこ、初めて見た。」
「え?そう?…いつも笑ってるよ、私。」
「違う。……そんな、ホントの笑顔。初めて見た。」
何故だかしんみりした声で言って、彼は急に、私の手を取った。
「行こっ!」
戸惑いながらも、私は彼についていったんだ。
拒んだりしなかった。
新野君の気持ちを、考えもしないで。
なんでかな。
ただ純粋に、大好きな人と友達と、一緒にいたいだけなのに。
どうして神様は、そっとしておいてくれないのかな。
卒業前にできた、最後の友達まで。
予期しない形で失うことになるなんて―――
新野君は根気よく私に向き合って。
私も大分、彼とは打ち解けてきた気がする。
卒業を目前にして、こんなふうに友達ができるなんて思わなかった。
それも、異性の。
「なあ、唯!俺、来週が入試だから、今日で最後なんだ。自由登校来るの。」
「え!そうなの?こうちゃん、もう来ないの?」
「うん。……だからさ!食い修めしようぜ!」
「へっ?食い修め?」
新野君は、ニコニコと笑う。
「だからさ、ほら、この学校の学食でごはん食べること、もうないだろ?だから。」
「あ、そっか。そういえば、私行ったことないや、学食。」
「えー!お前それ、絶対損してるって!な、行こう!付き合ってよ、食い修めの儀式!」
その言い方が面白くて、思わず笑ってしまう。
ひとしきり笑っていたら、新野君は見たこともないほど嬉しそうな顔をして、私を眺めていた。
「唯が笑ったとこ、初めて見た。」
「え?そう?…いつも笑ってるよ、私。」
「違う。……そんな、ホントの笑顔。初めて見た。」
何故だかしんみりした声で言って、彼は急に、私の手を取った。
「行こっ!」
戸惑いながらも、私は彼についていったんだ。
拒んだりしなかった。
新野君の気持ちを、考えもしないで。
なんでかな。
ただ純粋に、大好きな人と友達と、一緒にいたいだけなのに。
どうして神様は、そっとしておいてくれないのかな。
卒業前にできた、最後の友達まで。
予期しない形で失うことになるなんて―――