冷酷彼氏の憂鬱
 ビックリしたような顔を浮かべる里倉にお構いなしに、俺は質問を投げかけた。


「里倉の方こそ!里倉の方こそ……俺のことなんて、どうでもいいんだろ?」

「……へ?」

「俺が里倉に告白したあの夕暮れの教室のすぐあと……。お前、さっきの先輩とっ、その、き、キス……してたじゃねぇか……!」

「ふぇっ?!」


 この際だから、ちゃんと白黒をつけておこう。

 俺以外の男とキスをしたのか、していないのか。


「してないよっ」

「……嘘をつく気か?」

「嘘じゃないっ……て……あっ」


 “あっ”?

 まさか、やっぱりしていたのか?
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