愛というキモチのカタチ。
手に持っていたバックがスルリと手から離れ、バタリと地面に落ちた。
嘘だ。
だってアタシを愛してるって言ってくれたもん。
結婚するって…そう言ったもん。
立ちすくむアタシを不思議そうに見て通り過ぎる人達。
「あの、鞄落とされましたよ?」
知らない誰かにそう言われても、なかなか反応出来ずにいた。
目の前の2人は抱き合うのをやめ、女性は手を引かれて会社の方へと歩き始めた。
そして。
目があってしまう。
彬と。