愛というキモチのカタチ。
何で今まで彼らの気持ちに気付こうとしなかったのだろう。
こんなに近くにいる人達の気持ちを自分はずっと踏みにじっていたんじゃないだろうか。


罪悪感にも似た感情に心が支配されていく。



彬しか見てこなかった。
彬しか見えなかった。
彬しか愛せなかった。


・・・それは不思議なくらい運命みたいな繋がり。



「杉浦君にも必ず運命の人が現れるよ、絶対!
アタシにとって彼がそうだったみたいに。」


幸せを願わずにはいられない。

杉浦も。
梶も。


どうか自分だけの愛しいヒトに出会えますように・・・。


「サンキュー。・・・あ、ゴメン、旦那のとこに行くんだろ?」

「あ、うん。」

「じゃ!聞いてくれてありがとうな!!」




そう言うと振り向かずに杉浦は走り去った。


< 172 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop