愛というキモチのカタチ。

「あら、おはようございます。今日も可愛いわ、このはさん。」


離れの門を潜って出たところで果歩さんにバッタリ会ってしまった。


「お…おはようございます…」


俯いてそう言うと、足早にその場を離れようと背中を向けた。


「あら、彬くんは？」


「知りません、貴方の方がよく知ってらっしゃるんじゃないですか。」



言い捨てて足を早めた。


「このは！」


彬が慌てて後を追って行く。

「彬くん！」

「ごめん、果歩！後にしてくれ！」


追いかけっこは5分もしないうちに終わってしまった。