愛というキモチのカタチ。
嫌だ。


こんな自分、見せたくない。


「このは、そこにいるんだろ?出ておいで。」



優しい声がした。


蕩けるような甘い、彬の声。


「…イヤだ。」



浴衣をかき集め、顔を埋める。

なんて醜いのだろう。
結婚に焦ってるように思われただろうか。


「出てこなきゃ、ドア蹴破るぞ。」


一瞬にして低くなる彬の声。


「破ったら果歩さんに叱られるもんっ」


「どうとでもなる。出てくるのかこないのか、どっちだ?」


…破りかねない。
彼はそんな人だ。…激情型というか…。
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