あたしと3人の王子様*
「泣くなよ」
祥太があたしの頬を伝う涙をふいてくれるまで、自分が泣いてることに気がつかなかった
それくらい、自然にでた涙だった
あたし…颯ちゃんが1番好きだよ
「…颯ちゃんのカノジョって夏帆先輩?」
「あー、確かそんな名前だったかも」
やっぱりね…夏帆先輩、ステキな人だもん
あたしなんかが、邪魔しちゃいけない
「そっか…教えてくれてありがとね
じゃああたし、家入るね」
なんとなく、あたしのこんな惨めな姿を祥太に見られたくなかった
「…っ、そうやって俺の前で我慢すんなよ」
祥太に強引に引っ張られ、簡単に胸に収まってしまった
「は、離してっ」
あたしは必死に祥太から体を引き離そうとした
でも、そんなことを祥太が許すわけもなく…
「俺をもっと頼れよ」
「…そんなのだめだよ」
「…俺は花が好きなんだよっ」
そんなこと言われたら…
甘えてしまう