あたしと3人の王子様*
教室につくと、まだ先生は来ていなかったみたいで安心した
「今日遅かったね」
「あ、愛花!そうなの、寝坊しちゃって…」
なんだか、愛花の顔をちゃんと見て話せなかった
愛花には祥太に告白されたなんて口がさけても言えない
「どーかした?」
「え、なにも? 1時間目ってなんだっけー?」
「現代文だよ」
「ありがと!」
あたしは教科書を取りに行くために廊下に出た
愛花に気づかれなかったかな…
「はぁーっ」
ロッカーに向かってため息をついた
なんかすごい…ストレス……
「おっはー!」
後ろから来た遥斗に体を押された
その勢いでロッカーに頭をぶつけた
「いったーい!ちょっとー!」
「あ、わりぃ」
ヘラヘラしながら顔の前で手を合わせていた
全然反省してない!
「浮かない顔してたから元気付けよーと思ってさー」
あ、そうか…遥斗なりに気を使ってくれたんだ
「ごめんね…あのね、聞いてほしいことがあるの」
ひとりで解決しようと思ったけど、人の意見を聞くことも必要だよね