あたしと3人の王子様*





河川敷を2人で歩く




ちょっと前のあたしだったら

ドキドキしながら歩いてたのかも









「もしさ、…」

「ん?」




ずっと黙っていた颯ちゃんが口を開いた




「すごくすごく好きな人がいて、でもその思いを伝えることができなくて…その時、花はどうする?」




それって、颯ちゃんのこと?

それともあたしのこと?




なんだかわからないけど聞けなかった




「諦める、かな〜」




そんな状況がいつまで続いても辛いだけだし…




「うん、俺はそうしたよ。相手は俺のこと好きじゃなかったし、相手の好きな人が誰かわかってたし…」




…何が言いたいのかな?




「でもさ、相手が誰が好きなのかもわからなかった俺は諦めなかったと思う……何言いたいかわかる?」




すぐに首を横に振った




「花は、逃げてるんだよ。ヒロから」




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