あたしと3人の王子様*
本当のキミ
「それにしてもね~、花が幼なじみ以外で男の子連れてくるなんてね~?」
「いやいや、入れたのはお母さんだから」
「同じようなものでしょう?」
違うよ!って言いながら笑う花ちゃんを見た時
俺、やっぱ来なくても良かったのかもって思った
そのことに対して、さほどショックを受けていなかった
むしろこーやって、家族と笑ってる花ちゃんを見て安心した
「花ったらね、私が言うのも何だけど昔っからトロくてね~?あははっ」
花ちゃんのお母さんが、花ちゃんの断りもなく赤裸々話を並べる
こんなお母さんだったから、花ちゃんはこんなにイイ笑顔ができるんだろうな…
父親がいなくても温かい家庭だなって、心底思った
…たとえこの家族に、影があったとしても
「あ、私ばっかり話し込んじゃって!やーねぇ?あははっ」
「いえいえ、花ちゃんのこと知れたのでよかったですよ♪」
「もーっ、ヒロくんったら顔も良ければ性格もいいのねー♪
うちの花、もらってくれない?」
「ちょっとお母さん!?」
お母さん、ぜひとももらいたいです。
そんなことは、今の俺にはまだまだ言えない
まだ中学の時のチャラさが残っている俺には、花ちゃんに到底似合わない
変わらなきゃ……
颯太くんみたいな、花ちゃんに似合う男に…