あたしと3人の王子様*



「あがったよー?」




リビングに行くと、案の定お母さんとヒロくんが楽しそうに話していた……




「3年生の50m走のときねー?花ったら、ゴール前で転んじゃって~…あはははっ」



あたしの小学校のアルバムを広げながら……




「ちょ、お母さん!早くお風呂入ってきてーっ」

「えーっ、いいところだったのにー!」




なんて、子供みたいに頬をふくらませながら言った




そんなことしても、年齢を感じさせないくらい若く見えるお母さんが少し羨ましい……




「じゃあ、私お風呂入ってくるわね~♪」




そうして、お母さんはお風呂場に消えていった









さっきはお母さんとヒロくんが2人きりだったけど、今度はあたしとヒロくんで2人きり……




なんだか、幼なじみ以外と2人きりになるのって初めてだから不思議な感じ




そう思ってると、ヒロくんが口を開いた




「花ちゃんのお母さんって元気だよな~、俺もあんな母親だったらよかった……」




…………え?




「ヒロくんのお母さん、冷たいの?」

「いや?そーゆうじゃなくて、仕事柄で昼夜逆転生活してる人でさ~」




も、もしかしてヒロくんのお母さん…水商売してる人とか?




そんなあたしの浅はかな考えは、ヒロくんの言葉で打ち消された




「あ、水商売とかじゃないからね?」

「あ、そうなんだ」

「もしかして、図星?」




なんて言って、ヒロくんはケラケラ笑っていた


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