あたしと3人の王子様*



あたしが何も喋らなくて不思議に思ったのか




「物足りない?」




そう言って、また距離を近づけてくる




そう言って、またあたしの心を




ドキドキさせるんだ




「ヒロくんっ、お母さん来ちゃうから…」

「来ちゃうから何?」




ヒロくんの真っ直ぐな瞳から目が離せない




「―――今は、ダメっ」

「今は? ……後でならいーの?」

「~~~っ」





何この気持ち…




なんであたし、こんなにもヒロくんにドキドキしてるんだろう




あたしが好きなのは颯ちゃんなのに、この気持ちはなに?




こんなの、知らないよ……




すると、ヒロくんがあたしの手を引いて立ち上がらせた




「部屋、行こっか?」

「……うん」


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