あたしと3人の王子様*



ヒロくんがあたしの中に入ろうとした時




ヒロくんは少し驚いたような顔をした




「ヒロ、くん…?」

「花ちゃん、やっぱやめよ?」




………え?




そう言って、ヒロくんはあたしを起き上がらせて頬を触った




「あれ、あたし……」




―――泣いてる?




「ごめんね」




ヒロくんは切なそうな顔をしてあたしを抱きしめた




―――まるで、壊れ物を触るように




「俺、もうこーゆうのはやめようって…変わろうって思ってたのになぁ……最低だ」




耳元で聞こえるヒロくんの声はいつもとは違って弱々しかった




『ごめん』っていうのはあたしの方だ




気持ちがないくせに、颯ちゃんが好きなはずなのに




ヒロくんを傷つけた




あたしの方が最低だ




何してるんだろう……


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