曖昧な関係。
*
あれから、一週間がたった。
多分、まだバレてないはず。
誰にも、言われてないし。
今日から、仮入部だ。
女子は13人、男子は8人。
まぁ、妥当だろう。
ここから、辞める子もいるだろうし。
本入部が決まるまで、絶対に蒼と桜汰は1年の前に現れない。
仮に、現れてから他の1年が入部したいと言っても、受理しないように顧問に言ってある。
よっぽどの理由がない限りは。
「じゃあ、自己紹介したいと思います。弓道部部長の神崎葵です。
3年はあと少しで引退ですが、よろしくお願いします。」
まず、アタシが挨拶して、他の3年、2年、1年が自己紹介をした。
最後に顧問。
「あー、3年の担任をしている、一条だ。
よろしくな。
1年は、キツイけど頑張れよ。」
意味ありげに、ニッと笑う。
一条先生は、アタシたちのクラスの担任だ。
だから、蒼と桜汰目的の女子が多いことを理解してくれる。
顔合わせが終わったので、先生は出て行った。
ここからが、本題だ。
「1年は、副部長がいないと思ったかもしれないけど、一応います。
副部長は、如月蒼。
あとは、久世桜汰も部員です。」
ザワザワと、その場がうるさくなる。
1年女子が、喋っているのだ。
「そこ、うるさい。
話を最後まで聞けよ。」
え?とその場が一気に静かになった。
アタシは、身長が低いのと童顔のせいで、よく誤解される。
もちろん、初対面には素を出さないけど。
今のうちに、言っとくのが楽だ。
素を知っている、3年と2年がニヤニヤと笑っている。
「お前らも黙れよ。
蒼と桜汰は、基本部活に来ません。
アイツら目的なら、辞めることを進めます。
以上。」
じゃあ、部活をはじめます。と皆に声をかけた。