曖昧な関係。

ー大会当日

オレはあの日以来、調子が戻っていた。

結果は、

団体
男女共、決勝進出。

個人
男子はオレと桜汰、女子は葵が残った。



ー控え室にて

「ヤバい。
ドキドキする。」

葵は手が震えていた。

桜汰も珍しく緊張してるようで、無言だった。

「お前ら、落ち着けよ。」

この間まで冷静じゃなかったオレが言うのも、変な感じがする。

「うー、だって。」

「大丈夫だから。
一人じゃないって葵が教えてくれたんだろ?」

「そーだけど。」

「はい、そこ。
イチャイチャしないー。」

「「どこがイチャイチャしてんだよ!」」

「こんな貧乳、女じゃないし?」

「は?黙れ。ハゲ。」

ギャーギャー

ギャーギャー

「そこの二人!
うるさい!」

終いには、どこかの先生に怒られた。

桜汰は笑っていた。

‥お前のせいだろ。

まぁ、緊張も解けたみたいだからいいか。



「それでは、男子個人決勝を第一射場で、女子は第二射場で行います。」

(射場‥矢を射つところ)

「じゃ、行きますか?」


「「うん。」」
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