曖昧な関係。
ー6月
他の部の県大会も終わり、一ヶ月後には学祭がある。
オレのクラスでは、この一時間話し合いの時間だ。
「うちのクラスは、何がしたい?
意見あるかー?」
担任の一条が言った。
一気にクラスが煩くなる。
一日目は生徒のみで、二日目は一般公開だ。
毎年、1年は劇、2.3年は店をする。
この場合、2年の店は飲食店を中庭で、
3年はお化け屋敷やカフェなどを教室で行う。
「あ、忘れてた。
実行委員を決めるぞー。」
いや、一番重要じゃね?
つーか、誰も手挙げねーし。
‥嫌な予感。
「じゃあ、今日の日直二人。
あと、二人はお前ら決めろ。」
‥やっぱり。
皆、一斉に黒板を見る。
黒板には、
日直
神崎葵
如月蒼
そう、今日はオレと葵だ。
マジかよ‥。
「しょうがないよ、蒼。
やろ?」
葵はもう、諦めたみたいだ。
じゃあ、あの二人も道連れだな。
「先生、あと二人は桜汰と佐伯でお願いします。」
「「えー?!」」
桜汰と佐伯が叫んだ。
「はい、決定。
久世と佐伯もな。」
紙に書き込んでいる。
「先生!
六花がやりたくないならアタシが!」
「アタシも!」
女共が手を挙げる。
「もう、書いたから無理。
4人、前出て進めろ。」
一条がこういう性格で良かった。
素を知らない奴らと一緒とか疲れるし。
「蒼、お前覚えとけよ。」
「桜汰怒んなよ。」
4人一緒なら佐伯と回れるぜ?と、小声で付け足す。
「うっ。」
コイツらは、未だに付き合ってるって周りに言ってない。
言ったら、女が怖そうだしな。
でも4人で実行委員をすれば、一緒に回る事ができる。
「‥しょうがねーな。
その代わり、協力しろよ?」
「おう。」