曖昧な関係。

8




あっという間に時間は過ぎて、学祭一日目

結局、今日は何も見る事なんか出来なかった。

桜汰と佐伯は、二人でこっそり見て回ったみたいだ。

まぁ、約束だったし。

もしかしたら、明日は全く暇ないし。

クラスの奴らも6時までは手伝ってくれたけど、もう帰ってしまった。

葵と二人で教室で最終準備をしている。


現在、7時。


「葵、終わった?」

「まだだから、先に帰っていいよ。」

葵は、メニュー表を書いているみたいだ。

「いや、オレも手伝うよ。」

「え?
蒼、手伝ってくれんの?」

目をパチパチしながら、見てくる。

失礼じゃね?

「だって、暗くなってきたし。
顔見えなくて襲ったら、相手も可哀想だろ。」

ーバシッ

「痛いんだけど。」

葵に叩かれた。

「帰れよ、バーカ。」

本当に短気だな。

「冗談だから。
さっさと寄越せ。」

葵はまだ何か言いたそうな顔をしていた。

しかし、無駄だと判断したようでそれ以上何も言わなかった。

ただ小声でありがと、と言っていた。










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