曖昧な関係。
[今日先に帰ってて]
まだ女子に囲まれている蒼を見ながら、
LINEを送る。
あの塊の中に入るのは、ちょっとキツい。
六花も桜汰に連絡を入れてるようだ。
[なんで?]
[六花と買い物行くから]
アタシと蒼は、基本登下校一緒。
だから、用事があって帰れない時は
連絡するのが当たり前になっていた。
[あっそ]
既読だけをつけて携帯のホーム画面に戻る。
「じゃあ、六花行こっか?」
「うん!」
*
「葵、どっちがいいと思う?」
六花が持っているのは、
白地にピンクと赤の牡丹柄と
紺地におお振りな白百合柄。
「んー、白い方。
そっちの方が似合う。」
白地に牡丹柄の方を指差して言う。
「そっか。
葵はどーするの?」
「アタシは、‥。
どれがいいかな?」
自分でどれが似合うとかわかんない。
「葵は、紺色とか似合うと思うけど。」
これは?と六花が選んだのは、
紺地にカラフルで小さい水玉に、桜柄。
「可愛いけど、似合う?」
「似合うよ、普通に。」
「六花がそう言うなら信じるけど。
蒼にバカにされないかな?」
「大丈夫、大丈夫。
じゃあ、買いに行こ。」
それからレジに並んで会計をして、
店を出た。