曖昧な関係。

[今日先に帰ってて]

まだ女子に囲まれている蒼を見ながら、
LINEを送る。

あの塊の中に入るのは、ちょっとキツい。

六花も桜汰に連絡を入れてるようだ。

[なんで?]

[六花と買い物行くから]

アタシと蒼は、基本登下校一緒。

だから、用事があって帰れない時は
連絡するのが当たり前になっていた。

[あっそ]

既読だけをつけて携帯のホーム画面に戻る。

「じゃあ、六花行こっか?」

「うん!」



「葵、どっちがいいと思う?」

六花が持っているのは、
白地にピンクと赤の牡丹柄と
紺地におお振りな白百合柄。

「んー、白い方。
そっちの方が似合う。」

白地に牡丹柄の方を指差して言う。

「そっか。
葵はどーするの?」

「アタシは、‥。
どれがいいかな?」

自分でどれが似合うとかわかんない。

「葵は、紺色とか似合うと思うけど。」

これは?と六花が選んだのは、
紺地にカラフルで小さい水玉に、桜柄。

「可愛いけど、似合う?」

「似合うよ、普通に。」

「六花がそう言うなら信じるけど。
蒼にバカにされないかな?」

「大丈夫、大丈夫。
じゃあ、買いに行こ。」

それからレジに並んで会計をして、
店を出た。





















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