曖昧な関係。
*
あれからオレは必死にチャリを漕いだ。
しかも、葵をチャリの後ろに載せて。
「やべー、暑い。」
ワイシャツの裾を出してパタパタする。
「あれ、葵先輩と蒼先輩?
どうしたんすか?」
「夏休みですよ、先輩達。笑」
学校の校門の所で弓道部の後輩に会った。
「うっせー、知ってるわ。」
「補習があるんだよ。」
葵の馬鹿。
コイツらに補習あるとか言ったら、
「先輩達、ドンマイでーす。」
やっぱり馬鹿にされた。
「赤点じゃねーんだからな。
テスト中寝てたら特別補習なんだよ。
お前ら、部活?」
「余計悪いじゃないですか。笑
そーですよー。
今週の土日は遠征もあって忙しいんです。」
へー。
「今度、差し入れ持ってくね。」
葵、意外と優しいな。
「意外と、は余計だから。
口に出てんだよ、馬鹿。」
「へいへい。」
「つーか、早く行こ?
暑いし、補習始まる。」
「おう。
じゃーな、お前ら頑張れよー。」
「先輩達も頑張ってくださーい。」
本当に一言多い奴らだな。