曖昧な関係。



あれからオレは必死にチャリを漕いだ。

しかも、葵をチャリの後ろに載せて。

「やべー、暑い。」

ワイシャツの裾を出してパタパタする。

「あれ、葵先輩と蒼先輩?
どうしたんすか?」

「夏休みですよ、先輩達。笑」

学校の校門の所で弓道部の後輩に会った。

「うっせー、知ってるわ。」

「補習があるんだよ。」

葵の馬鹿。

コイツらに補習あるとか言ったら、

「先輩達、ドンマイでーす。」

やっぱり馬鹿にされた。

「赤点じゃねーんだからな。
テスト中寝てたら特別補習なんだよ。
お前ら、部活?」

「余計悪いじゃないですか。笑
そーですよー。
今週の土日は遠征もあって忙しいんです。」

へー。

「今度、差し入れ持ってくね。」

葵、意外と優しいな。

「意外と、は余計だから。
口に出てんだよ、馬鹿。」

「へいへい。」

「つーか、早く行こ?
暑いし、補習始まる。」

「おう。
じゃーな、お前ら頑張れよー。」

「先輩達も頑張ってくださーい。」

本当に一言多い奴らだな。


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