一心同体、おれぼっち。




『有名な話だろ?あの芥川だって、あの大統領だってそうだった。
もう一人の自分に会った人間は、自身とドッペルゲンガーの存在がぶつかり合ってしまう。

そして、どちらかが消えてしまう。』


『ドッペルゲンガーに会うと死ぬと言う迷信は、そのためだ。』


フェンスに腰掛け、奴は首をかしげた。


「“わかったか?”って事か。いや、俺はそんな冗談には付き合っていられねぇ。」


強がって言ってみたが、その時の俺の心臓は妙に高鳴っていた。


―――こいつの言うことが真実なら。俺は余命、一週間。




いや、そんなわけ無い。間に受けるな、馬鹿馬鹿しい………。





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